研究内容
  【超音波の位相共役現象】
 まるで時間を巻き戻したかのように振る舞う超音波を作ることができます.この不思議な現象は,“位相共役現象”と呼ばれています.超音波の位相共役波の基礎的研究,可視化及び診断装置や非破壊検査への応用を目指して研究しています.写真は,通常の反射超音波(左)と位相共役波(右)の光学的可視化像です.
【負の群速度】
 負の群速度を利用して超音波を屈折させると,通常の屈折角とは全く異なった方向へ曲がります.分散性(周波数によって速度が異なる性質)を積極的に利用した非常に面白い現象です.負の群速度は薄い板を伝搬する板波(Lamb波)や層構造を伝搬する超音波(写真)で実現可能です.
【ソフトマターの音波物性】
 ゲルやゴム,生体組織等の柔らかいもの(ソフトマター)の性質を縦波だけでなく,横波を用いて研究しています.柔らかいものは,体積変形よりずり変形に特徴を示します.表面波(ものの表面に沿って伝搬する波)を用いてずり弾性率を計測する研究をしています.写真はシリコンゴムの応力分布を符号を含めて可視化したものです.
【超音波キャビテーション】
 液体に比較的強い超音波を照射するとたくさんの小さな気泡(キャビテーション)が発生します.超音波洗浄に利用される現象ですが,高分子の鎖を切ることもできます.また,キャビテーションが発光する現象も研究しています.写真はキャビテーション発光(青白く光っている部分)を撮影したものです.
 
 


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