3. 固体燃料ロケット推進薬のX線CT分析 (山口G)

AP/HTPB系コンポジット推進薬における粒子分散の統計的分析

コンポジット推進薬における酸化剤や軽金属燃料の粒子分散をX線CTで統計的に分析します。蠕動運動ミキサーによる推進薬スラリの連続捏和プロセスにおいて、粒子分散の定量的評価を必要としています。X線CT画像内の輝度と画素数を集計した輝度ヒストグラムは、粒子分散に従ってその分布曲線を変化させる。推進薬の原料配合比率から理想曲線を算出し、実測曲線との差違から粒子分散を統計的に定量評価します。

AP/HTPB系コンポジット推進薬における粒子間結合モデル

コンポジッド推進薬において粒子間結合の微細な観点から粒子分散を理解し, X線CTで粒子分散を直接測定する方法を検討しています。捏和過程による粒子分散の最終理想形は、どのような空間スケールを選択しても粒子分散が一様となることです。粒子間結合の特性に合わせた捏和運動の最適化によって粒子分散を自発的制御し、固体推進薬のさらに優れた燃焼特性を得ることで、ロケットモータの正確な推力設計に繋げます。

推進薬のX線CT測定の際は, 関西大学電気化学研究室(石川・山縣先生,イノベーション創生センター),
JAXA宇宙科学研究所(相模原), JAXA調布航空宇宙センター(三鷹)等で年数回実験します。

学部3年次秋から研究着手しますので, 3年次冬の宇宙輸送シンポジウム(JAXA宇宙研)や応用物理学会, 4年次夏の宇宙科学技術連合講演会,等にて担当学部生が学会発表します。院生はISTS等の国際会議で学会発表, 論文投稿(英語,査読付)をします。 卒業生進路は主に宇宙分野・重工業・電機, 等です。

宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所(JAXA/ISAS), 中央大学 共同研究 (2015~) 詳細
山縣雅紀准教授 & 山本博文研究員 (化学生命工学部 電気化学研究室) nano3DX 研究協力

2015年04月01日